昨日で今年最後の学習指導となり、今日から1月2日までは、正月休みとなります。
師走は師走で忙しかったなりに、課題は、ちゃんと、と思い…
「大局観-自分と戦って負けない心」を読みました
!
↓プロ棋士の羽生善治さんの著書です。
第1章 大局観
第2章 練習と集中力
第3章 負けること
第4章 運・不運の捉え方
第5章 理論・セオリー・感情
と、5章立ての本でしたが、私が気になった、
第2章の中の「教えることについて」
と第3章の負けることについてから、少々、抜粋をして感想を。
(以下、青字が抜粋部分です)
第2章より
「練習は、たくさんすれば良いのだろうか?
将棋を始めたばかりの時は、何よりも練習量が必要ではないかと思う。
基本や基礎をしっかりと固めるためには、とにかくある一定のまとまった時間を
費やさなければ身に付かないし、そこからの大きな進歩も考えられない。」
と。
そして、ブレイクスルーへとつながっていく…というようなことが書いてありました。
また、
「何かに上達したいなら、『繰り返し』をすることがとても大切だ。」
ともありました。
「何かを学ぶ」時には、もっとも当たり前で、普遍的なことのように思えます
。
シンプルな結論ですが、なかなか、みんなが実行できないのも、事実かもしれません。
次に、第2章の4『教えること』からの抜粋です。
「将棋に関して、師匠が弟子に『こうしなさい、ああしなさい』と言うことは、
ほとんどない。直すべきところがあっても、弟子が自然と気づくまでそっとしておく。
これは、「自分で苦労して、自分なりの方法を見つけなさい」という無言の教えである。
教えてもらう前に、自分で考える習慣をつけることが大事なのだ。
また、師匠が手取り足取り教えてしまうと、そのカラーが弟子に移ってしまい
乗り越えるのが難しくなることや、将棋は対局が始まってしまえば
誰も助けてやれないということも、師匠があまり教えない理由とされている。」
全くの同意。です。これも普遍的かな、とも
。
先日も受験生には、厳しいと思いましたが、恒例(?)の
「これからは、『何やればいいですか?』という質問は受け付けません。
まずは、今、自分で何をすべきか考えてください。
『こういうことをしたほうがいいと思うのですが、どうですか?』という質問は
受け付けます。」
という話をしました。
ココだけの話。私なりの愛情表現なのですが…
。意図が伝わらないとダメなんですけれどね
。
ただし、
「最近では、師匠が教えないと弟子が本当に何も勉強しないので、見るに見かねて
師匠が教えるケースもあるようだ。時代が変わってきているし、すべて自主性に
任せるのではうまく行かない時期が来ているのかもしれない。」
とも…。うーん
。
そして、コーチングのコツとして、
「将棋を教える時に肝心なことは、教わる側は何がわかっていないかを、
教える側が素早く察知することだと考えている。」
とありました。それから、引き続き、
「~(中略)それは、非常に微妙な調整を必要とする、ある種の職人技だ。
そんなところが、教える側の大きなやり甲斐ではないかと考えている。」
とのこと。
いわゆる「教えるのがうまい先生」とか「分かりやすい先生」の説明だと思います。
これは、ウチの講師陣にも、しっかり学んでもらわないと、と思います
。
…っていうか、まずは私から、ですけれど…
。
あとは、「直観と閃(ひらめ)きの違い」について
「きちんと論理立てて説明できるのが直観で、
なんだかわからないが、この方が良いと考えるのが閃きなのだそうだ。」
と、脳科学者の方から教えてもらったと書いてありました。
これについての結論は、
「いずれもあまり過信せず、ひとつのツールとして使いこなすのが肝要」
とのこと。
直観って大事です。でも、その使い方って、ホント、羽生さんの言うとおり、と思います。
ここまで、脈絡のない文章になっていますが、そのついでに、次の文も
。
「経験則としていうと、モノをたくさん手放せば手放すほど、加速をつけて
新たなモノが入ってくる。」
とありました。これは、故スティーブ・ジョブズ氏も同じことを言っていました。
「何かを捨てないと前に進めない」と。
これも、何か普遍的なことなのかもしれませんね
。
最後に、少し驚いたのは、この著書の中に、多くの著書からの引用が
出てくるのですが、羽生名人は、将棋のことばかりしているのではなく、
かなりの読書量があるということです。
間接的には、将棋につながっているのだと思いますが、
ここにきて、やっぱり「本を読む」って、非常に大事なことと、改めて考えました。
今教えている生徒の中で、もしかしたら、「大人になったら勉強しなくていい」
と思っている人がいるかもしれませんが、私、この年になってハッキリ言えるのは、
「『学ぶ』ということは、一生続けたほうがいいものです。」ということです。
「いい」というのは、端的に言うと「自分にとって得になる」ということですかね
。
特に、本を読む、ということは、本当に、自分を成長させるために
とても必要なことと、しみじみ感じ入った今回の読後でした。
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